伝統ある宇治川の鵜飼を守り続ける

 

大切なのは鵜飼を観て
楽しんで頂くこと


 宇治川の鵜飼で鵜匠を始めてから、今年11年目のシーズンに入りました。今年は、大雨による増水で6月と7月初旬は、鵜飼が中止となる日が続きました。梅雨が明けたこの時期からがシーズン本番です。
 私が鵜匠になったのは、鵜匠が鵜を自在に操る姿に感動し、自分でも鵜を操ってみたいと思ったからです。実際見習いとして始めてみると、なかなかうまくいかず、先輩の鵜匠から教えて頂くのですが、頭で覚える事よりも、先輩鵜匠の技術を見て覚え、経験を積み重ねて自分のものにしていくことが多いようでした。鵜の扱い、鵜を結わえた追い綱のさばき方、舟での実践、全てが経験をして失敗をしての繰り返しだった様に思えます。しかし、毎日、お客様の前で鵜飼をし、鵜と接していくうちにどんどんと鵜飼の素晴らしさを知りました。また、鵜匠をしてみたいという思いで始めましたが、鵜について、鵜飼の歴史について、全国の鵜飼について、学んでいくうちに、伝統文化としての鵜飼を残していかなければいけないと強く思う様になりました。
 宇治川の鵜飼は、平安時代には既に行なわれ、藤原の道綱の母が書かれた「蜻蛉日記」にも登場し、宇治川の鵜飼を観て楽しんだとの記述があります。当時より鵜飼は「漁業」と観て楽しむ「観光」としての二つの要素がありました。
 現在の鵜飼は、漁業としてよりは「観光鵜飼」として行なわれています。いかに皆さんに楽しんで頂くかが重要であり又、鵜飼を存続させ、後世に残していくことに繋がると思います。地元の方でも鵜飼をご覧になったことのない方や知らない方も多く、広報宣伝に力を入れることも大切だと考えています。
 現在宇治川には、私を含め2名の女性鵜匠が在籍しており、このことが、宇治川の鵜飼のPRにも繋がっています。日々、鵜と接し触れあい信頼関係を築き、昔からの鵜飼という漁法を守り、そしてお越し下さったお客様に楽しんで頂ける鵜飼を長く続けていけるよう努力していきたいと考えています。

 

profile

さわき まりこ
京都府生まれ。滋賀県在住。全国で3人目の女性鵜匠。㈳宇治市観光協会に勤務しながら、宇治川の鵜匠として、多くの観光客を魅了している。

 

〔vol.10 夏号 掲載〕

 


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