茶の湯で世界に伝えたい日本の文化と心

 

緊張感と楽しさあふれるカウンターでの接客

 紙やすりで磨き上げ、熱く焼けた鉄板に肉を乗せると、あとは自分の耳が頼り。脂がはじける音の変化を聞き分けて、お好みの加減に焼き上げていきます。当店で勤務して今年で八年目、流れ作業にしてはならないという緊張感と、日々、違うお客様に接することのできる喜びをもって、カウンターに立つ毎日です。

 もうひとつ肝に銘じているのは「空気になること」。自分たちの会話を楽しみたいお客様や、数寄屋造りのお茶室を改装した当店の静かな雰囲気を堪能したいお客様には、話しかけないことが「接客」だと考えていますが、「女性らしい細やかな気遣いがよかった」と思いがけないお言葉を頂戴することも。逆に「女性なのに珍しいですね」と声をかけて下さって、楽しくお話しさせていただくこともあります。

 ですからお客様の「また来ますね」というひとことは本当にうれしい。対面式の店を希望したのも接客が好きだからですし、私自身、また行きたいと思えるのは、料理の味はもちろん、接客や内装など、何かプラスアルファーのあるお店ですから。

 

私感覚の創作菓子を目指して

 当店ではパティシエとしてデザートも任されています。母が料理好きで、今でも実家に帰るとケーキを焼いて待ってくれている家庭で育ちました。母と台所に立った子どものころが、料理の道に進んだ原点でしょうか。

 一か月単位でメニューを変え、季節感を演出します。今年の春に好評だったのは、「白みそのババロア」。塩麹など、和の材料が注目されていることにヒントを得ました。一番人気はとろとろのプリンで、生クリームを加えた濃厚なカラメルは自信作です。

 私感覚のお菓子をもっともっと創作したい。中華料理やベトナム料理なんていいですね。休日に自炊していても外食していても、デザートのアイデアを考えている自分に気づいて、たまに嫌になることもあります(笑)

 

 

profile

大原 梢(おおはら こずえ)
1982年宇治市生まれ。調理専門学校卒業後、4年間のフランス料理店勤務を経て2005年より当店にて勤務。趣味は読書で、一気に1冊読み終わることもあるそう。

 

〔vol.14 秋号 掲載〕

 


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